SLG(サイレントギター)に張る弦について
YAMAHA SLG(サイレントギター) にエクストラ・ライト弦を張っている方が多く見られますが、ビビりの観点では弦は細くしない方がよいと言えます。
その理由と、適した弦、セッティングについてのお話しです。
アコースティックギターは基本的にメーカー出荷時の弦高は高めにセットされており、SLG も同様です。
その弦高の高さに対し、22フレットのハイポジションまで楽に弾きたいことからエクストラ・ライト弦を張られている方が多く見受けられます。
確かに弦を細くすれば多少は弾きやすくはなりますが、SLG の場合、主にラウンド弦、特に6弦の開放〜ローポジションでのビビりが生じやすくなります。
理由は、ギター自体の共振の影響です。
ギターは、特定の周波数や弦エネルギーに対して、ボディ、ネックが共振します。こういった共振反応はどのギターにも必ずありますが、SLG はその構造上、共振が他のタイプのギターに比べて強い傾向があります。
共振が強いと、弦の振幅のうねりが大きくなります。うねりが大きいと実音以外の周波数も強くなり音がうねって聴こえます。また、うねりがフレットに触れやすくなり、ビビりが生じやすくなります。
弦は、ゲージが細くなるほど反発力が下がりますため、共振の影響での振幅のうねりが大きくなります。
SLG ゆえの共振の強さと弦の細さが相まり、ラウンド弦の開放〜ローポジションにかけてのビビりが目立っている個体がよく見られます。
SLG の共振の特性に対しビビりの観点では、弦のゲージは細くしない方がよいと言えます。
ライトゲージ1択と言っても過言ではないです。
ではありますが、ハイポジションまで、22フレットまで楽に弾きたい仕様でもあります。
それへの解決策として、ライトゲージで弦高をエレキほどまで下げることを提案します。
弦高が高いままでエクストラ・ライトを張るよりも、ライトでエレキほどまで弦高を下げた方が結果的に弾きやすく、またビビりの度合いも抑えることができます。
動画内で、それらについて詳しく解説しています。
