Taylor の調整への、よくある質問への回答

Taylor の調整へのよくある質問3点への回答と、Taylor の利点2つ、心配しなくていいこと1点についての解説動画です。

■よくある質問3点
・ネックアングルの調整は必要か?
・トラスロッド調整は必要か?
・サドルの調整は必要か?

・ネックアングルの調整は必要か?
必要な状態のことが多いです。
Taylor のギターはデフォルトの状態では、ネックアングルが浅めになっていることが多いです。
ネックアングルは浅くなるほど弦高が高くなりますので、アングルの影響で弦高が高いという個体もよく目にします。
また、アングルが浅いままでネックを逆反らせて弦高を下げようとしている状態のものもよく目にします。逆反らせすぎているため、弦高は依然として高いままでローポジションのビビりが目立つという状態になっているものも多いです。
そもそもアングルが浅くて弦高が高いという状態の場合、まずアングルを調整した上で、全体のバランスを整え、弾きやすい弦高にセットする必要があります。

・トラスロッド調整は必要か?
もちろん必要です。
「Taylor のギターはアングル調整で弦高を調整するのでトラスロッドには触れない」という説もありますが、そんなことはないです。
アングルも適度な度合いにセットした上で、ネックも適した反りにセットしてあげる必要があります。
例えば、ネックが過度に逆反っているままでアングル調整だけで弦高をセットしても、綺麗に音が出る状態を作ることはできません。過度な順反りやハイ起きに対しても同様です。
また、ネックの反りも結果的にはアングルに作用しますため、ネックアングルも反りも両方のバランスを整えてあげる必要があります。

・サドルの調整は必要か?
もちろん必要です。
これも、「Taylor のギターはアングル調整で弦高を調整するのでサドルには触れない」という説がありますが、そんなことはないです。
例えば、サドルが必要以上に高いままで弦高を下げるには、過度にアングルを強める必要があります。結果的にアンバランスになります。
ネックアングル、ネックの反り、サドル(厳密に言えばナットも)を適したバランスにセットした上で、弦高をセットする必要があります。
また、サドルは上面の R も調整しなければ、良い弦高バランスにはセットできません。
他メーカーのギターと同様、サドルの高さも上面の R も調整する必要があります。


■利点2つ
・トラスロッドの効き
・ハイ起きに対して

・トラスロッドの効き
Taylor のギターはトラスロッドの稼働幅が広く、また効きも良いです。強い反りに対してもトラスロッド調整でカバーできる範囲が広いです。これにはとても安心感があります。

・ハイ起きに対して
強いハイ起きは、端的に言えばネックアングルが浅くなることと同じ反り方です。メーカーや価格帯に関わらず、よくある反り方の一つです。
Taylor の場合、ハイ起きが強くても、ネックアングル調整によりその影響を緩和させることができます。
他メーカーのギターであれば、リフレットしなければならないといった度合いのハイ起きに対しましても、Taylor であればネックアングル調整を合わせて行うことで、そこまですることなく状態を改善できることが多いです。
これもまた、Taylor の大きな利点の一つと言えます。


■心配しなくていいこと
・ネックジョイントとボディの隙間について
Taylor のギターは、ネックとボディの接地面に隙間がある構造になっており、その隙間がパテで埋められております。
パテが剥がれますと隙間が見えます。隙間があると不安に思われる方も多いですが、それは元々のものですので、何も心配はいらないです。

こららのことについて、こちらの動画で解説しています。


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