弦高を極力下げるアプローチ / Maton EBG808TE の例

弦高を極力下げるアプローチ。Maton EBG808TE の例での解説動画です。

Maton は、ソロギターのユーザーに好まれているブランドということもあり、低めの弦高を希望される方が多い傾向があります。

参考にではありますが、ソロギター向けの調整の際には、1弦1.5mm - 6弦2mm を、一つの基準としています。
1弦1.5mm - 6弦2mm を基準にお客様のご希望に合わせて、より低め/高めにセットします。
今回の場合は、お客様から、1弦1.2mm - 6弦1.6mm と、数値も明確にされてのご依頼でした。

弦高を下げる際には、大きく2つのことを踏まえる必要があります。
・状態や仕様
・ギター自体の共振による弦の振幅の影響

状態と仕様につきまして、ネックアングルが関わってきます。
ネックアングルは端的に言えば、強いほど弦高が下がり、浅いほど弦高が上がります。
ジョイント部の状態、仕様、個体差で、アングルの強弱があることは普通と言えます。また、反りの性質も、結果的にはアングルに関わってきます。
アングルの強弱があることは悪いことではありませんが、例えばアングルが強いとその分、弦高は下がりますが、支点(サドル)が高いままで角度で弦高が下がっているために、ビビりが生じやすくなります。
アングルが浅い場合には弦高が高いため、支点(サドル)を過剰に低くしなければ、弦高が下がりません。それもアンバランスな状態になります。

状態はアングルにも作用しますため、弦高を下げる上ではアングルの具合も踏まえる必要があります。
また仕様によっては、そもそものコンセプトから、アングルが浅めであったり、ブリッジベースが厚めなものもあり、そもそも低めの弦高が想定されてないモデルもあります。

ギター自体の共振につきましては、弦エネルギーや特定の周波数に対する、ボディ、ネックの共振による弦の振幅のうねりの度合いを見ます。
反応が強い個体であれば、うねりがフレットに触れやすく、ビビりが生じやすくなります。
弦高を下げるほど弦の振幅がフレットに触れやすくなりますため、振幅のうねりの度合いと反応する音を確認し、どこまで弦高を下げるかを判断する必要があります。

それらのことについて、動画で説明しています。


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