ギター製作 道具紹介 「スクレーパー」

ギターを製作する上で「専用工具」は必要不可欠な道具で、特殊な工程に対して使い勝手が良い様に考えられた工具が数多くあります。

ドライバーやニッパーなどは製作にご縁が無い方でも何をする工具なのか一目で分かるのですが、専用工具には専門性故に何に使用する工具なのか想像もつかない見た目の物もあります。

本日はそんな一見しても何をする道具なのか皆目見当もつかない一風変わった工具をご紹介します。

早速ですが、こちらが本日のお題の工具になります。

一見、ただの鉄製の薄い板の様に見えると思います。

実は「特殊な素材で」「この板自体に凄い機能が」といったことはなく本当に単なる鉄製の板になります。(笑)

しかし、特殊な砥ぎ方をすることにより「スクレーパー」という道具として使うことが出来ます!

百聞は一見にしかず、こちらの使用例の動画をご覧ください



この板の辺の角を当てる事によって木が削られているのが分かると思います。
ヤスリの様に見えますが、削りカスを見てもらえると粉ではなく塊として出ている事が分かると思います。

なので、イメージとしてはヤスっているのではなく表面を「切っている」と考える方が良いかもしれません。

何の変哲も無い鉄製の板ですが、特殊な研ぎ方により
目に見えない程の微小な大きさの鉤爪状の刃が出来ます。

ここに対象物を引っ掛けて移動させる事により、表面が切れる仕組みになります。
この工具はバイオリンや箱物系のギターの製作に良く用いられていて、良く研いだ刃で切ると切削面が非常に綺麗に出てくれます。
ヤスリとの違いをあげるなら「一回の動作での切削量」と「処理面の綺麗さ」が一番お大きいかもしれません。

初めて見たときは、私も「ヤスリでいいじゃん」と考えたのですが
・対象をヤスリで削るには量的に時間がかかるし大変
・対象の表面を綺麗にしたい
と、言う時には大活躍する工具になります!

難点を言うとすれば、こう見えても「刃物」なので砥がなければ使えないと言った点でしょうか。

ちなみに楽器製作に使われるスクレーパーには、正しい大きさや決まった形などは無く様々な物があります。

単なる鉄の板だけでここまで文字に起こす事が出来るので、ギター製作だけに限らず、工具の世界は非常に奥深いです!



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