新品 Yamaha SLG への、PLEK を活用した調整

おかげさまで毎日たくさんのご依頼をいただいている、PLEK を活用した調整。
今日は、新品 Yamaha SLG の例を紹介します。

GLIDE では、新品ご購入の際は PLEK を活用した調整が半額で受けられます。
ほとんどのメーカーさんのギター・ベースが取り寄せできます。
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ご注文いただいたのは、こちらの SLG。
長年愛され続ける、大ヒットモデルですね。



お客様からは、普段はエレキを弾かれているという情報と、Yamaha の011-047ゲージでのご指定をいただきました。



エレキのようなフィーリングで弾けることを念頭に、調整を進めていきます。
弦を張り替えた上で、ネックの状態を計測してみましょう。




こちらが、計測したネックの断面図です。



上から、ネック1弦部、3弦部、6弦部の断面図です。
画像見て左側がナット側、右側がブリッジ側です。
灰色の部分が指板で、ネックの反りを表します。
ギザギザがフレットで、その上の数字(mm)がフレットの高さ、赤い折れ線がフレットの頂点を結んだ線です。

見ていただくと、1弦と3弦は、ローポジションの順反りが少し強いことが分かりますね。また、1弦はハイポジションのフレットのバランスが少し乱れているのも分かります。
これにより、1弦〜3弦はローポジションで音が詰まりやすく、1弦はハイポジションでも音が詰まりやすいことが分かります。
これらの箇所では、弦の振幅がフレットに当たるために、鳴りも抑えられています。

対照的に6弦は、非常に良い反り方をしています。
ゆえに、1弦側と6弦側で反り具合に少し差があることが分かります。その差は、いわゆる「ねじれ」と呼ばれる反り方です。
「新品でもねじれているなんて良くないネックなの?」と思われるかたもいらっしゃるかと思いますが、ネックの中に様々な反りが混在するのは、いたって普通のことです。

「ネックはまっすぐ」と思われている方も多く、確かに製造時にはまっすぐに作りますが、ネックとして大事なのは、弦の張力がかかった状態(チューニング時)に、どのように反る(しなる)かで、その個性に合わせてフレットの頂点を結んだラインを整えてあげることです。
キレイに順反るのが理想的ではありますが、そういうことは本当に稀です。

部分的に強く反ったり、性質の違う反りが1つのネックの中に混在するのは全然悪いことではなく、木製品ゆえの特性と言えます。
こちらの SLG のねじれの度合いはむしろ微々たるもので、新品としても非常に良好な方に入ります。

少し話が逸れましたが、SLG の調整に話を戻します。



上の画像が、1弦〜3弦の音詰まりの度合いを数値化したものです。
上から1弦〜3弦で、黄色い部分が、端的に言えば音詰まりを表します。
予想通り、2弦と3弦のローポジションと1弦のハイポジションに、音詰まりがあります。

順反りが強いので、ネックをもう少しまっすぐ寄りにしてあげれば音詰まりは無くなりそうですが、そうすると、6弦側が逆反り気味になり、6弦の中腹で音が詰まりやすくなってしまいます。
1弦側(6弦側)の音詰まりを改善しようとトラストッドを調整すると、6弦側(1弦側)が音詰まりしやすくなるというのが、ねじれの際に起こることです。

そのため、ネックの反りはこのままで、フレット形成によりバランスを取ることにします。

ネックの個性を踏まえ、各ポジションのフレットの高さと R のバランスを決め、PLEK に指令を出し形成します。



フレット形成前と後の計測データを見比べてみましょう。



2つが同じ3弦の計測データで、上が形成前、下が形成後です。
ネック状態の影響で出ていたローポジションのフレット高のバラつきがキレイに無くなっていますね。
フレットバランスが整ったことで、弦の振幅を抑える要素が無くなり、どこを押さえてもキレイに鳴ります。

鳴りを良くできましたので、次は弾き心地を追求していきます。
こちらの画像が、弦のゲージと張力とフレットバランスに対しての、ナットとサドルの適正値とのギャップを表したものです。



左から右に向けて6弦から1弦です。
緑の線が適正値で、赤が現状の高さ。その上の数字が、適正値とのギャップを表します。

ナットとサドルが軒並み高いのが分かりますね。
それぞれを調整していきます。



新品のデフォルトは、ナットはほぼ高めになっていますので、データを元に適正値に調整していきます。
ナットが高い(溝が浅い)と、シンプルに押さえにくさへと繋がります。
また、ナットが高いままでサドルを設定すると、良い弦高の構成要素とは言えません。
その構成バランスの必要性については、また後日お話したいと思います。

ナットを調整する際は、データとしての実測値も大事ですが、体感的な押さえ心地も GLIDE では重要視しています。
少し削るたびにチューニングし、押さえ心地を確認しながら進めていきます。

ナットを調整したら、次はサドルです。
お客様に合わせて低めの弦高に設定します。



サドルを調整し、1弦1.5mm - 6弦2mm と、アコースティックとしては低めに設定しました。
細めの弦であることも相まり、エレキに近い感覚で弾いていただけそうです。
フレットも整えていますので、この低さでももちろん、弦の振幅が最大限に活かされています。

以上、新品の Yamaha SLG への調整の紹介でした。
ネックの個性に合わせて調整することは、新品でも大いに効果があります。
加えて、お好みの弦やチューニングに合わせて調整・セットアップできますので、届いたその時から自分に最適な状態になっているとも言えます。




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